【女性鍼灸師が解説!】温活におすすめのツボ!〜手とお腹周りのツボ〜

先日のコラムで、足にある温活におすすめのツボをご紹介させていただきましたが、そちらはご覧いただけましたでしょうか。

 セルフケアを続けていくと、なんだか巡りがよくなって来たような気がしませんか?

気のせいかもしれないけれど

それでもよくなった気がすると嬉しいですよね?

よくなってきたような『気』がする。

『気』のせいかもしれないけれど…

『気』

東洋医学では大切な概念なのですが、突然、『気』って言われてもわかりにくいですよね。

本題に入る前に、簡単に東洋医学での『気』についてご紹介します。

東洋医学で『気』とは?

例えば…

『気』の持ちよう、『気』遣い『気』疲れ、『気』がかり、などなど…

実は、私たちはたくさんの『気』に関係する言葉を日常的に使っています。

思い悩んでいる時に、

「気のせいだよ〜!」って声をかけられて、
なんだかモヤモヤした経験が1度ぐらいありませんか?

そんな時に、「え?気のせいって(モヤモヤ)」と思っても、

頭の中で、東洋医学の『気』に変換して
「『気』のせい」と置き換えるとどうでしょう?

東洋医学では、私たち人間の身体は、「気」、「血(けつ)」、「津液(しんえき)」の3つ、または、そこに『精(せい)』を加えた4つの要素から成り立つと考えられています。

(「血(けつ)」、「津液(しんえき)」、「精(せい)」はまた別の機会にご紹介できたらと思います)

『気』は生命活動や運動を支えるエネルギー源、とされています。

別の言い方をすると、

身体の中のあらゆるものを動かすのが『気』とされていて、その働きにより、内臓が動き、呼吸ができ、食べ物を消化出来る等の生命活動を行えると考えられています。

他にも、身体を守るバリアーのような作用、体液や内臓をあるべき位置に固定するなど様々な作用があります。

それにより、身体が機能し、健康な状態が維持されると考えることができます。

そして、温活そのものと行って良い、『身体を温める作用=温煦作用(おんくさよう)』も『気』の作用とされています。

 

いかがでしょう。

少し捉え方が変わってきませんか?

『気』が散る、『気』が滅入る…

そう、確かに、『気』のせい、

『気』が身体の中で、アンバランスになっているせいかもしれません。

東洋医学では、多すぎることもなく、少なすぎることもない、バランスの取れた状態を中庸(ちゅうよう)と言い、良い状態を表します。

そして、この、バランスの取れた状態、中庸(ちゅうよう)は、あくまでもその個人にとっての偏りのない状態です。

『自分の調子の良い時と比べて、今の状態がどうなのか』を考えるのが、大切なポイントになります。

何十年も生きていると、自分自身の身体はそれなりに偏りが生じていることもあります。

例えば、歩き方や立ち方にクセがあったり、冷えやすい、肩に力が入りやすいなど…

そう言った個人差も含めて、比べるのは、あくまで自分(過去の自分自身の状態)と考えてくださいね。

掘り下げていくと、どんどん細かいお話になってしますので、この辺りにしたいと思います。

東洋医学ではそういう概念もあるんだな、と、『気』楽に捉えていただけると嬉しいです。

では本題の温活におすすめのツボをご紹介していきます。

今回は、温活にオススメの手にあるツボとお腹・腰にあるツボをご紹介します。

今回のツボのご紹介は、『温活+フェムケア』にオススメというポイントで選びました。

怪我や特別に注意しなければいけないお体の状態がないと言う前提です。不安や心配なことがある場合は、早めにかかりつけの先生にご相談くださいね。

手にあるツボ

寒くなると、足先の冷えと同じぐらい指先の冷えも辛いですよね。
手が冷たくてツラいときに、こちらのツボでセルフケアを試してみてください!

八邪(はちじゃ)

八邪(はちじゃ)は手の指と指の間の水かきのあたり、手の甲側にあります。
(足先の冷えにオススメのツボぼとしてご紹介しました、「八風(はっぷう)」の手バージョンと覚えてくだい)

血液の巡りを促し、手先の冷えを改善、手の痺れや痛みに、頭痛にも効果的とされており、また、全身の『気』の巡りをよくするとも言われています。

反対側の親指と人差し指で挟むように5〜7秒息を吐きながら刺激してください。
力加減はイタ気持ち良い、がポイントです。

時間がない場合には、ツボの位置を意識しながら、両手をぎゅっとお祈りのポーズの様に組みながら刺激をするのもおすすめです。

また、入浴時などに、足の指と指の間に手の指を入れ、手の八邪(はちじゃ)と足の八風(はっぷう)を同時に刺激するという方法もあるので、こちらもぜひ試してみてくださいね。

お腹にあるツボ

3選

  • 水分(すいぶん)
  • 関元(かんげん)
  • 天枢(てんすう)

3つになります。

水分(すいぶん)

水分(すいぶん)はおへそから、親指1本分上あたりにあります。
むくみ、下痢、お腹の張りの他、お顔のむくみにも効果的と言われ、身体の水分がよく流れるよう調整してくれたり、気の巡りを改善し、痛みを止める効果があると言われています。

水分(すいぶん)というだけあって、むくみに効果的であると覚えると、分かりやすいですよね。

関元(かんげん)

関元(かんげん)は、おへその真ん中から、指4本分(人差し指、中指、薬指、小指)下あたりにあります。

月経不調、月経痛、おりものといった婦人科系のお悩みにもおすすめのツボになります。

天枢(てんすう)

天枢(てんすう)は、おへその真ん中から、指3本分(人差し指、中指、薬指)外側あたり、左右1ヶ所ずつあります。

下痢、便秘といったお通じのお悩みにもおすすめのツボでもあり、
「気」の流れをよくするツボでもあります。
また、月経を調整し、痛みを止めるとも言われ婦人科系のお悩みにもおすすめです。

どのツボも左右の人差し指、もしくは中指を重ねて5〜7秒息を吐きながらゆっくり押して刺激してください。(押した後に、力を抜く時もゆっくり行いましょう)
こちらも、力加減はイタ気持ち良い、がポイントです。

腰にあるツボ

八髎穴(はちりょうけつ)

八髎穴(はちりょうけつ)は

  • 上髎(じょうりょう)
  • 次髎(じりょう)
  • 中髎(ちゅうりょう)
  • 下髎(げりょう)

の4つのツボ(左右合わせて8つあります)をまとめた呼び方です。

それぞれのツボについて簡単にご紹介すると、以下の通りです。

上髎(じょうりょう)

婦人科系のお悩みや妊活におすすめです。

次髎(じりょう)

婦人科系のお悩みやの他に、体内の余分な水分を排出させてくれたり、気の巡りを調えて、月経を調整すると言われています。

中髎(ちゅうりょう)

婦人科系のお悩みや、お通じの不調を感じる時におすすめのツボです。

下髎(げりょう)

婦人科系のお悩みがあるとき、また、余分な水分を排出させ、尿・便の排泄を改善すると言われています。

それぞれのツボの場所は図の通りです。

仙骨部(尾てい骨のすぐ上あたりにあると表現するとイメージしていただきやすいでしょうか)にある、8つの仙骨孔(写真をご見ていただくとわかりやすいと思います)あたりにあります。

左右1ヶ所ずつ、上から上髎(じょうりょう)、次髎(じりょう)、中髎(ちゅうりょう)、下髎(げりょう)になります。

図を見ても、1つ1つのツボを、いざセルフケアで探すとなると難しいですよね…

そこで、写真の図を参考に、だいたいこの辺りかな、という場所に両方の手のひらを置いて温めてみたり、バスタイムにシャワーを少し長めにあてる!というのもおすすめです。

寒い時期に屋外で過ごされる時、冷えの感じ方が強いときにはカイロもオススメですが、普段から長時間使用するのはあまりオススメしていません。
身体には、温度が高くなりすぎると、身体の機能が働いて、逆に冷まそうと冷えてしまうこともあります。

日常的には、お腹、腰周りを丸ごと保温できる腹巻をオススメしています。
私自身も腹巻き愛用者です。

温活は体の熱をしっかり保つイメージで取り組んでみて下さいね。

AUTHOR

文香(あやか)

PROFILE

【鍼灸サロンオーナー】
大学卒業後、一般企業に勤務した後、エステティシャンに。 その後、現新宿医療専門学校にて学び、はり師・きゅう師に。
卒業後は、都内近郊の鍼灸院、サロンにて勤務。 著名人・芸能関係者の施術も担当。 現在は3人の男の子を育てながら、東京都文京区にて完全紹介制のプライベート鍼灸サロンを開業。 趣味は美容。

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