国際女性デーは、毎年3月8日に女性の勇気と社会的貢献を認め、それを称える日です。この記事では、国際女性デーの歴史や意味、そして性別の差別のない未来を目指す目標である「SDGs⑤」について解説しています。
国際女性デーとは
冒頭でもお伝えしたように国際女性デー(International Women’s Day=IWD)とは、女性の社会的・経済的・政治的権利の向上や性差別の撤廃を目的として、毎年3月8日に世界中でお祝いされる記念日のことです。
国や民族、文化、政治の壁に関係なく、女性の役割や決断、女性が達成してきた功績を称える日でもあり、国によっては3月8日を祝日に制定しているところもあります。
国際女性デーの歴史
時をさかのぼること1908年、アメリカで労働条件の改善を目的に一万人以上の女性たちがストライキを起こしたことを記念して、翌年の1909年2月28日を「全米女性の日」と制定されました。
この出来事がきっかけとなって、1910年にコペンハーゲンで開かれた「第2回国際社会主義婦人会議」で、世界中の女性たちが自分の政治的権利の主張を称え、「国際女性デー」を制定しました。
その後、グレゴリオ暦の3月8日にあたる1917年2月の最終日曜日に、ロシアの女性が「パンと平和」を求め抗議とストライキを決行し、女性の権利や地位に関する協議へと進展します。
この1917年に起こった革命を発端とし、当時のロシア皇帝は女性に選挙権を与えることを認めました。のちの1975年には、国連が3月8日を「国際女性デー」と公式に制定し現在に至っています。
国際女性デーのイベント事例
近年の日本ではようやく国際女性デーの認知度が高まってきましたが、世界では認知が広がっており、すでに25カ国以上が国際女性デーを祝日として制定しています。
イタリアでは国際女性デーを祝日にはしていないものの、国際女性デーを「ミモザの日」と決めており、感謝の気持ちを込めて愛する女性や友人にミモザの花を贈るというのが習慣になっています。イタリアの気候ではミモザは2月から3月に開花するため、ミモザが国際女性デーのシンボルになったと言われています。
そのほか、世界各国では国際女性デーにちなんださまざまな取り組みが行われています。
アメリカも国際女性デーは祝日ではありませんが、3月を「女性史月間」と定め、歴史のなかで貢献した女性を称えています。
中国では、国際女性デーの午後から半日休暇を取得することが推奨されており、女性はこの日、ショッピングを楽しんだり、男性が女性にプレゼントを贈ったりしています。
ロシアでも、国際女性デーは男性から女性にプレゼントを贈る日として知られています。
また、日本ではHAPPY WOMAN実行委員会が、国際女性デーの認知拡大と女性のエンパワーメントの推進のために、「HAPPY WOMAN AWARD for SDGs」として、さらなる活躍が期待できる女性や、女性を応援する商品やサービスを展開する企業に表彰を行っています。
SDGsの⑤「ジェンダー平等を実現しよう」について解説
持続可能でよりよい世界を目指す国際目標SDGsは、環境問題や貧困、差別、人権問題といった世界の課題を2030年までに解決していこうとする計画や目標のことを指します。
ご存じの方もおられるでしょうけれど、改めてSDGsで掲げられている17の目標を確認しておきましょう。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等の実現
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくり
- つくる責任つかう責任
- 気象変動に具体的な対策を
- 海野豊かさを守ろう
- 陸の豊かさを守ろう
- 平和と公平をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
このうち、5番目「ジェンダー平等を実現しよう」という目標は、他の16の目標と密接に結びついています。
つまり、女性のエンパワーメントやジェンダー平等は、持続可能でよりよい世界を築くために必要不可欠であり、女性や女児に対する差別をなくすことはSDGsの実現に大きな影響があるといえるのです。
また、SDGs5の「ジェンダー平等を実現しよう」には、6つの目標と実現のための3つの方法が示されています。
5.1
あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
5.2
人身売買や性的、その他の種類の搾取など、全ての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
5.3
未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。
5.4
公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、並びに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。
5.5
政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。
5.6
国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、並びにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する。
5.a
女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、並びに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
5.b
女性の能力強化促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。
5.c
ジェンダー平等の促進、並びに全ての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。
SDGs5の掲げるジェンダー平等は、「女性だから」「男性だから」といった決めつけや、男性は外で働き、女性は家を守るものといった古くからの慣習など、社会的・文化的な差別(ジェンダー)をなくし、世界中の女性が自身の持つ最大限の能力を発揮できる社会をつくることが目標です。
また、男性も女性も平等に社会と接する機会が与えられるよう、男女が平等に生活を送れる社会を実現することも目標のひとつです。
世界ではまだ女性の人身取引による性的搾取や、早期結婚による教育を受ける機会損失が問題となっています。日本でも、出産後は女性だけが育児や家事の負担を強いられ、社会に復帰することが難しい状況であるほか、家庭内暴力に苦しむ女性も少なくありません。
SDGs5ではこうしたジェンダーを撤廃し、多様な性の在り方、性別の違いにとらわれない生き方を実現できる社会であることが望まれています。
フェムケアライフも女性の活躍を応援しています
フェムケアライフでは、女性特有のココロとカラダの悩みの解決方法を提案しながら、女性がいきいきと活躍できる社会になっていくよう応援しています。
女性特有の性やホルモンに関する悩みはタブー視され、これまでほとんど取り上げられることがありませんでした。しかし、ジェンダー平等の高まりを背景に、女性の社会での在り方や、健康課題が浮き彫りとなっています。
フェムケアライフでは、妊娠・出産をしても社会に復帰したいと考える女性、家事・育児と仕事との両立など、性にかかわらず、社会の中のひとりの人として生きていこうとする女性の健康課題をサポートできればと考えています。