『健康美』を叶える体質別セルフケアについて
『健康美』とは心身ともに健やかであり、それをベースに心身の美しさを備えている状態だと思っています。
今でこそ、『健康』であってこその『美』というのは大前提だと心から思うですが、他人の目を意識し始めた10代からずっと、
『どうやったらあの人みたいに痩せるのか?』
『どうやったらあの人みたいに綺麗になれるのか?』
を考えては、『健康』を無視したダイエット法、話題になった美容法にチャレンジしては思うような成果を得られず、挫折しては次の新しい方法!と、いったことを繰り返していました。
東洋医学を学ぶ中、自分の体質にあったケアが大切だということを理解し、体質改善と、その時々に現れる症状に対してのメンテナンスを取り入れられるようになりました。
同時に、年齢を重ねることで起こる変化に対しても、柔軟にメンテナンス方法を変えながら、対応できるようになって来ました。
今回のコラムでは、そんな私が患者さまの治療をさせていただく上でベースとなっている考え方から、健康美を育てるセルフケアにおすすめの内容をご紹介いたします。
また、よりご自身にあった方法を見つけていただければと思い、5つのタイプに分けてご紹介しております。それぞれのタイプの特徴を載せておりますので、当てはまる項目が多いものからセルフケアに取り入れていただければと思います。
こちらでご紹介している5つのタイプは、様々ある東洋医学の考え方の中の1つです。
皆さまの「健康美」を育てるヒントになれば幸いです。
内容が多い為、前編・後編の2つに分けております。
こちらの前編では、
CONTENTS
⚪︎東洋医学の五行説(ごぎょうせつ)について
⚪︎東洋医学五行の考え方
⚪︎東洋医学五行の5つタイプ別の特徴とセルフケアにおすすめのツボ
・木タイプ
・火タイプ
こちらまでの内容となっております。
後編では、
⚪︎東洋医学五行の5つタイプ別の特徴とセルフケアにおすすめのツボ
・土タイプ
・金タイプ
・水タイプ
⚪︎まとめ(健康美について)
についての内容となります。ぜひ合わせてご覧ください。
東洋医学の五行説(ごぎょうせつ)について
体質を5つに分けてご紹介させていただくとお話ししておりますが、
その前に、「どうして5つに分類してる?」のと不思議に思っていらっしゃる方の為に、簡単に5つの分類についてご紹介させていただきます。
東洋医学のお話の中に、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)と言う言葉があります。
陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)とは、陰陽論(いんようろん)と五行説(ごぎょうせつ)という2つの説から成り立っています。
陰陽論(いんようろん)とは、古代中国の思想で、上と下、左と右、天と地、昼と夜、明と暗など、ありとあらゆる物事を陰と陽の2つのカテゴリーに分けるもので、互いに対立し、依存しながら絶えず変化していく関係のことです。
こちらの陰陽太極図(いんようたいきょくず)を見ていただくとイメージしやすいかと思います。
五行説(ごぎょうせつ)とは、自然界の全てのものを、「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(こん)・水(すい)」の5つの要素に分けて考えるもので、その5つの要素が互いに影響しあいバランスをとっているというものです。
今回はこちらの五行説(ごぎょうせつ)から、体質を5つのタイプに分け、それぞれのタイプの特徴と、健康美を育てるセルフケアをご紹介していきたいと思います。
東洋医学の五行の考え方
ここでもう少し詳しく五行説(ごぎょうせつ)についてご紹介していきます。
古代中国ではその五行説を医学に取り入れ、人間の生理や病理などに応用し取り入れられるようになりました。
この5つの要素を身体の部位に当てはめています。
木(もく)=肝(かん)
火(か) =心(しん)
土(ど) =脾(ひ)
金(こん)=肺(はい)
水(すい)=腎(じん)
このようになります。
言葉では少しイメージしにくいのですが、ここで表す、身体の部位とは、「臓器そのもの」というより、身体のあらゆる「働き」や「役割」であり、それを大きく5つに分けた考え方だと理解頂ければと思います。
5つそれぞれの相互関係は、不調の原因を探り、鍼灸治療法を考える時の大切なポイントにもなってきます。
ただ、この五行の考え方の形成の基礎は古代中国にあり、若干強引に5つに分類している傾向があるそうです。また、そのままでは日本の風土や特徴に合わない場合もあり、長い歴史の中で様々に解釈されていることもあり、諸説あります。
東洋医学五行のタイプ別の特徴
それでは、5つのタイプについての特徴とセルフケアにおすすめのツボをご紹介します。
当てはまる項目が多いものがご自身のタイプになります。
複数に該当し、2つもしくは3つの要素が混ざっている方もいらっしゃいます。それぞれにおすすめのセルフケアを試してみてくださいね!
(※ツボの解釈には諸説あり、位置には個人差があります。ツボ刺激をする際は、爪などで皮膚を傷つけないように注意しながら行ってください。)
木タイプ
<身体の部位にすると「肝」:キーワードは春、目、筋肉、爪、涙、怒り>
・イライラしやすい
・不眠・よく夢をみる
・肩が凝りやすい
・気候の変化に弱い
・胸や脇がはって苦しい
・お腹がはり、よくガスが出る
・生理周期が不順
・生理前に胸が張りやすい
・生理痛がある
・爪が脆く割れやすい
・春先に体調が崩れやすい
<健康美を育てるセルフケアにおすすめのツボ>
大敦(だいとん)
大敦(だいとん)は肝の機能を整えて、気の巡りを改善してくれると言われており、また、精神を穏やかにすると言われています。婦人科系のお悩みにもおすすめです。
ツボの位置:
足の指にあるツボです。足の親指の爪の付け根、人差し指側の角の少し外側あたりになります。
ツボ刺激の方法:
刺激したいツボがある足の反対側の手の親指の腹をツボにあて、親指をつまむように保持し、息を吐きながら、5秒程度かけてゆっくり押しながら刺激します。
力加減は、イタ気持ち良いが目安です。
3〜5回程度繰り返します。
太衝(たいしょう)
太衝(たいしょう)は月経痛や不順など月経関連の不調が気になる時やストレスを感じるときにもおすすめです。
ツボの位置:
足の甲にあるツボです。足の親指と人差し指の間を足首に向かってなぞっていき、骨が交差するところの前あたりにあるくぼみになります。
ツボ刺激の方法:
人差し指もしくは中指の腹をツボにあて、息を吐きながら、5秒程度かけてゆっくり押しながら刺激します。
力加減は、イタ気持ち良いが目安です。
3〜5回程度繰り返します。
火タイプ
<身体の部位にすると「心」:キーワードは夏、舌、脈、汗、顔面、喜>
・すぐに目が覚める
・もの忘れしやすい
・顔が赤くなりやすい
・ヒステリー基質
・舌がただれやすい
・異常に汗をかきやすい
・冷や汗をかきやすい
・のぼせやすい
・暑さに弱い
・夏に体調が崩れやすい
<健康美を育てるセルフケアにおすすめのツボ>
少衝(しょうしょう)
少衝(しょうしょう)はイライラや不安、悩みなど精神疲労、ストレスを感じるときにおすすめのツボで、心を穏やかにして、精神を安定させるとも言われています。
ツボの位置:
手の小指にあるツボです。小指の爪の付け根の薬指側のかどあたりになります。
ツボ刺激の方法:
反対側の手の親指の腹をツボにあて、人差し指とで挟むように息を吐きながら、5秒程度かけてゆっくり押しながら刺激します。
力加減は、イタ気持ち良いが目安です。
3〜5回程度繰り返します。
神門(しんもん)
神門(しんもん)は心の気を補い、精神を安定させてくれると言われ、精神的な疲労からくる不眠や便秘といった体調不良が気になる時におすすめのツボです
ツボの位置:
手首にあるツボです。手のひら側で、手首の皺を小指側までたどっていくと触れる骨の手前あたりのくぼみになります。
ツボ刺激の方法:
反対側の手の親指の腹をツボにあて、他の指で手の甲を支えるように保持し、息を吐きながら、5秒程度かけてゆっくり押しながら刺激します。
力加減は、イタ気持ち良いが目安です。
3〜5回程度繰り返します。
後編では、土タイプ・金タイプ・水タイプについてもご紹介しておりますので、合わせてご覧くださいね!