フェムケアマガジン和漢・漢方

大棗(タイソウ)とは?生薬の成分、特徴、多岐に渡る効果について解説

大棗(タイソウ)とは?生薬の成分、特徴、多岐に渡る効果について解説

2022.08.02

大棗(タイソウ)は、風邪の引きはじめに用いられる葛根湯(カッコントウ)にも含まれており、有名な漢方生薬として、名前を聞いたことがあるという方は多いと思います。 しかし、 「大棗ってどんな生薬?」 「大棗とナツメは何が違うの?」 「漢方生薬としてどのような効果があるの?」 このように生薬としての成分や効能、大棗とナツメとの違いについて、具体的に理解している方は少ないのではないのでしょうか? そこで今回は大棗の生薬成分、特徴、多岐に渡る効果・効能について解説していきます。 温活をしている方にも役に立つ情報ですので、ぜひ最後までお読みください。 大棗(タイソウ)とは?その特徴について 大棗とは、棗(ナツメ)の熟した実を乾燥させた生薬です。 ナツメは、日本にはおよそ奈良時代から渡来したと言われており、「万葉集」にもその名が登場しています。 古くから生薬や菓子の材料として重用され、“世界三大美女”として名高い楊貴妃(ヨウキヒ)も好んで食べていたそう。中国では、一日に3個食べると老いないと言われており、美容やアンチエイジングにも効果的とされています。 生薬としての“大棗”はさまざまな漢方薬に配合されており、代表的なものとしては、日本で多くの方に親しまれている葛根湯(カッコントウ)や、甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)があります。また、甘味を持つという特徴から、苦みの強い漢方薬と組み合わせられることが多いですね。 ここからは、大棗のもととなるナツメについてさらに詳しく解説していきます。 ナツメについて ナツメは、クロウメモドキ科の落葉高木で、高さは5?15メートルほどになります。 果実は熟れると楕円形でリンゴのように赤くなり、生で食べることもできます。味わいとしてはリンゴのような食感と甘酸っぱさが特徴で、ジャムやお菓子の材料などにも利用されていますね。 このナツメの果実を、夜露にあて日にさらして干したものを紅棗(コウソウ)、紅棗を蒸してさらに干し、シワと黒味を帯びたものが大棗(タイソウ)とされています。 大棗にされたものは生薬として、紅棗にされたものは食用(ドライフルーツ等)として、市場に多く流通しており、中国や韓国などでは縁起の良い食べ物とされています。韓国では薬膳料理として日本でもよく食べられている参鶏湯(サムゲタン)にも使用されており、見たことがあるという方も多いのではないでしょうか? その他、ナツメとピーナッツを黒砂糖で調味したスープも治療薬膳の一つで、慢性肝炎や肝硬変などの病状に用いられていますね。 大棗の原産地・生産地について 大棗及びナツメの原産地は中国と言われており、3000年以上の栽培の歴史があります。 一方、南ヨーロッパ、西南アジアでも、盛んに栽培されていたようです。現在では中国や韓国、台湾、南西ヨーロッパなどでも生産されています。 日本では福井県、岐阜県を中心とした東北地方や関西地方、その他中国地方などのごく一部の地域で生産されています。 大棗に含まれる成分や性質は? 大棗には、カリウムやカルシウムなどのミネラル類、葉酸やナイアシンなどのビタミンB群、食物繊維、サポニンなどの成分が豊富に含まれています。 特に葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、造血や細胞の生まれ変わりを助け、胎児の発育に必要不可欠な成分であると考えられています。 そのため、女性にとって大切な栄養素として、注目を集めるようになっています。胎児が発育する妊娠中の女性や、乳幼児期、成長期の子どもに必要な栄養素と考えられており、積極的に葉酸を摂取することが良いとされていますね。 また、大棗にはサポニンが豊富に含まれています。サポニンとは植物に含まれているステロイド及びトリテルペンの配糖体の一種で、植物の苦みや渋みのもととなる成分です。 強心作用、利尿作用など強い生理活性があることから、古くから生薬として用いられています。...

大棗(タイソウ)とは?生薬の成分、特徴、多岐に渡る効果について解説

2022.08.02

大棗(タイソウ)は、風邪の引きはじめに用いられる葛根湯(カッコントウ)にも含まれており、有名な漢方生薬として、名前を聞いたことがあるという方は多いと思います。 しかし、 「大棗ってどんな生薬?」 「大棗とナツメは何が違うの?」 「漢方生薬としてどのような効果があるの?」 このように生薬としての成分や効能、大棗とナツメとの違いについて、具体的に理解している方は少ないのではないのでしょうか? そこで今回は大棗の生薬成分、特徴、多岐に渡る効果・効能について解説していきます。 温活をしている方にも役に立つ情報ですので、ぜひ最後までお読みください。 大棗(タイソウ)とは?その特徴について 大棗とは、棗(ナツメ)の熟した実を乾燥させた生薬です。 ナツメは、日本にはおよそ奈良時代から渡来したと言われており、「万葉集」にもその名が登場しています。 古くから生薬や菓子の材料として重用され、“世界三大美女”として名高い楊貴妃(ヨウキヒ)も好んで食べていたそう。中国では、一日に3個食べると老いないと言われており、美容やアンチエイジングにも効果的とされています。 生薬としての“大棗”はさまざまな漢方薬に配合されており、代表的なものとしては、日本で多くの方に親しまれている葛根湯(カッコントウ)や、甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)があります。また、甘味を持つという特徴から、苦みの強い漢方薬と組み合わせられることが多いですね。 ここからは、大棗のもととなるナツメについてさらに詳しく解説していきます。 ナツメについて ナツメは、クロウメモドキ科の落葉高木で、高さは5?15メートルほどになります。 果実は熟れると楕円形でリンゴのように赤くなり、生で食べることもできます。味わいとしてはリンゴのような食感と甘酸っぱさが特徴で、ジャムやお菓子の材料などにも利用されていますね。 このナツメの果実を、夜露にあて日にさらして干したものを紅棗(コウソウ)、紅棗を蒸してさらに干し、シワと黒味を帯びたものが大棗(タイソウ)とされています。 大棗にされたものは生薬として、紅棗にされたものは食用(ドライフルーツ等)として、市場に多く流通しており、中国や韓国などでは縁起の良い食べ物とされています。韓国では薬膳料理として日本でもよく食べられている参鶏湯(サムゲタン)にも使用されており、見たことがあるという方も多いのではないでしょうか? その他、ナツメとピーナッツを黒砂糖で調味したスープも治療薬膳の一つで、慢性肝炎や肝硬変などの病状に用いられていますね。 大棗の原産地・生産地について 大棗及びナツメの原産地は中国と言われており、3000年以上の栽培の歴史があります。 一方、南ヨーロッパ、西南アジアでも、盛んに栽培されていたようです。現在では中国や韓国、台湾、南西ヨーロッパなどでも生産されています。 日本では福井県、岐阜県を中心とした東北地方や関西地方、その他中国地方などのごく一部の地域で生産されています。 大棗に含まれる成分や性質は? 大棗には、カリウムやカルシウムなどのミネラル類、葉酸やナイアシンなどのビタミンB群、食物繊維、サポニンなどの成分が豊富に含まれています。 特に葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、造血や細胞の生まれ変わりを助け、胎児の発育に必要不可欠な成分であると考えられています。 そのため、女性にとって大切な栄養素として、注目を集めるようになっています。胎児が発育する妊娠中の女性や、乳幼児期、成長期の子どもに必要な栄養素と考えられており、積極的に葉酸を摂取することが良いとされていますね。 また、大棗にはサポニンが豊富に含まれています。サポニンとは植物に含まれているステロイド及びトリテルペンの配糖体の一種で、植物の苦みや渋みのもととなる成分です。 強心作用、利尿作用など強い生理活性があることから、古くから生薬として用いられています。...

大和当帰とは?高品質で希少な歴史ある国産生薬「当帰」の歴史と効果効能を解説

大和当帰とは?高品質で希少な歴史ある国産生薬「当帰」の歴史と効果効能を解説

2022.08.02

「大和当帰ってどんなもの?」 「そもそも当帰ってなに?」 当帰は冷え性改善の生薬に用いられたり、婦人薬に配合されたりすることも多いため、名前だけは聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、当帰がどのような生薬で、大和当帰がどのような特徴を持つものか、具体的に理解している方は少ないのではないでしょうか? 今回は当帰の解説とともに、奈良県の伝承生薬である大和当帰について紹介します。 最後までお読みいただくことで、あなたの今後の温活にも役立つでしょう。 当帰とは? 当帰は、セリ科・シシウド属の多年草でセロリに似た香りを持ち、奈良県を中心に日本各地の薬園で栽培されてきました。 現代では当帰の根の部分が、神農本草経の中品に収録され、歴代の本草書に収載されている著名な生薬です。 一方で、当帰の葉の部分については非医扱い(医薬品ではない)とされています。 しかし、葉の部分もとても栄養価が高いため、健康に対する意識が高まる昨今では食事などで利用されるようになり、注目が集まっています。 ここでは、当帰の過去の歴史からその特徴について解説します。   当帰の歴史について 当帰の栽培の歴史は古く、江戸時代には近畿から以北の日本各地で、野生品や栽培品の産出があったと言われています。 現代の日本産当帰としては奈良、和歌山の土地を主として栽培される「ニホントウキ(ヤマトトウキ・オオブカトウキ)」と、北海道で栽培される「ホッカイトウキ」の二種類があります。   元々、日本では江戸時代末期まで、南部当帰、仙台当帰という名称で、今の岩手県、宮城県から野生のものを採取し出荷されていました。 また、新潟県の越後当帰や滋賀県の伊吹当帰も、それぞれ区別され採取されていました。当帰は当時から重要な生薬として多く利用され、そのことで取り尽くされてしまい、地方によっては絶滅してしまったところもあると言われています。 当帰の需要が高まる中で、日本のニホントウキは中国の四川省でも栽培されるようになり、四川省産のニホントウキが輸入されるようになりました。 そのことで、四川省産の価格の安い当帰が多く流通するように。また、当帰の中でも栽培がしやすいとされる北海当帰は、昭和に入り普及が急速に進んでいきました。   そして、中国産の価格の安い当帰の流通が増えたこと、収穫期間が早く栽培しやすいと言われる北海当帰が広く流通されるようになったこと、栽培のしやすい他の作物へ転作等が行われていった結果、栽培に手間がかかる大和当帰は生産量が大幅に減少。結果として大和当帰は、一時は奈良と和歌山の県境で、わずかに栽培されているだけの状況となりました。   現代は、大和当帰と比べて品質が劣ると言われる北海当帰は、近年の不人気で衰退傾向。北海道の薬草生産の存続にも影響を及ぼしかねない状況で、一層の普及に向けた取り組みが期待されています。 大和当帰においては、さらなる品種改良や作業用器械の開発などが進められており、国産生薬”大和当帰”の普及に向けた取り組みが活発になっています。   ※当帰の葉は、従来は根とともに医薬品として登録されていました。しかし、平成24年以降から当帰の根のみが医薬品の対象となり、葉は「医薬効果を標榜しない限り医薬品としないもの」として対象から除外され、食用利用の普及が進んでいます。 当帰の特徴は? 当帰は、茎は赤く葉は複葉で、縁にギザギザがあり高さは60?90cmほど。...

大和当帰とは?高品質で希少な歴史ある国産生薬「当帰」の歴史と効果効能を解説

2022.08.02

「大和当帰ってどんなもの?」 「そもそも当帰ってなに?」 当帰は冷え性改善の生薬に用いられたり、婦人薬に配合されたりすることも多いため、名前だけは聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、当帰がどのような生薬で、大和当帰がどのような特徴を持つものか、具体的に理解している方は少ないのではないでしょうか? 今回は当帰の解説とともに、奈良県の伝承生薬である大和当帰について紹介します。 最後までお読みいただくことで、あなたの今後の温活にも役立つでしょう。 当帰とは? 当帰は、セリ科・シシウド属の多年草でセロリに似た香りを持ち、奈良県を中心に日本各地の薬園で栽培されてきました。 現代では当帰の根の部分が、神農本草経の中品に収録され、歴代の本草書に収載されている著名な生薬です。 一方で、当帰の葉の部分については非医扱い(医薬品ではない)とされています。 しかし、葉の部分もとても栄養価が高いため、健康に対する意識が高まる昨今では食事などで利用されるようになり、注目が集まっています。 ここでは、当帰の過去の歴史からその特徴について解説します。   当帰の歴史について 当帰の栽培の歴史は古く、江戸時代には近畿から以北の日本各地で、野生品や栽培品の産出があったと言われています。 現代の日本産当帰としては奈良、和歌山の土地を主として栽培される「ニホントウキ(ヤマトトウキ・オオブカトウキ)」と、北海道で栽培される「ホッカイトウキ」の二種類があります。   元々、日本では江戸時代末期まで、南部当帰、仙台当帰という名称で、今の岩手県、宮城県から野生のものを採取し出荷されていました。 また、新潟県の越後当帰や滋賀県の伊吹当帰も、それぞれ区別され採取されていました。当帰は当時から重要な生薬として多く利用され、そのことで取り尽くされてしまい、地方によっては絶滅してしまったところもあると言われています。 当帰の需要が高まる中で、日本のニホントウキは中国の四川省でも栽培されるようになり、四川省産のニホントウキが輸入されるようになりました。 そのことで、四川省産の価格の安い当帰が多く流通するように。また、当帰の中でも栽培がしやすいとされる北海当帰は、昭和に入り普及が急速に進んでいきました。   そして、中国産の価格の安い当帰の流通が増えたこと、収穫期間が早く栽培しやすいと言われる北海当帰が広く流通されるようになったこと、栽培のしやすい他の作物へ転作等が行われていった結果、栽培に手間がかかる大和当帰は生産量が大幅に減少。結果として大和当帰は、一時は奈良と和歌山の県境で、わずかに栽培されているだけの状況となりました。   現代は、大和当帰と比べて品質が劣ると言われる北海当帰は、近年の不人気で衰退傾向。北海道の薬草生産の存続にも影響を及ぼしかねない状況で、一層の普及に向けた取り組みが期待されています。 大和当帰においては、さらなる品種改良や作業用器械の開発などが進められており、国産生薬”大和当帰”の普及に向けた取り組みが活発になっています。   ※当帰の葉は、従来は根とともに医薬品として登録されていました。しかし、平成24年以降から当帰の根のみが医薬品の対象となり、葉は「医薬効果を標榜しない限り医薬品としないもの」として対象から除外され、食用利用の普及が進んでいます。 当帰の特徴は? 当帰は、茎は赤く葉は複葉で、縁にギザギザがあり高さは60?90cmほど。...

【あなたはどのタイプ?】5つの冷え性タイプと、タイプ別に効果のある代表的な漢方生薬をご紹介!

【あなたはどのタイプ?】5つの冷え性タイプと、タイプ別に効果のある代表的な漢方生薬をご紹介!

2022.08.02

冷え性に効く漢方は?冷え性の原因別におすすめの漢方を紹介  「冷え性改善には漢方が良いと聞いたことがある、試したいけどどれを選べば良いかわからない」 そのような人も多いのではないでしょうか? 漢方はドラッグストアなどでも手軽に購入できますが、種類がたくさんありどの漢方が自分に合うのか判断が難しいですよね。 そこで今回は、冷え性に悩まれている方の原因別に、おすすめの代表的な漢方薬を紹介していきます。 最後までお読みいただくことで、あなたに合う漢方薬を選ぶための一助になるでしょう。 冷え性とは? 冷え性とは一般的に、血液の流れが悪いために毛細血管へ温かい血液が流れず、血管が収縮してしまい手足などから冷えてしまう状態のことを言います。 冷え性は外気温によって冷やされることとは関係ありません。手と足の先端が温まりにくく、慢性的に冷えてしまっている状態があるときを「冷え性」と呼びます。 このように外気温に関係なく体の中から冷えてしまうため、真夏であっても冷え性の症状は出ます。冷え性は、本来働くべきはずの体温調整がうまく機能していない状態にあり、日々の生活習慣が大きく関わっています。 特に、冷え症は女性に多い傾向にあります。女性の場合は日々の生活習慣や月経の影響で貧血気味の人が多いことや、女性ホルモンの乱れから自律神経がバランスを崩しやすいことから、冷えが起きやすいと言われています。 では具体的に、どのようなメカニズムで冷え性は起きているのでしょうか?以下で、詳しくみていきましょう。 冷え性になるメカニズムは大きく2つ 冷え性になるメカニズムのポイントは、「体温調節の仕組み」と「自律神経の働き」にあります。 <体温調節の仕組み> 体温調節は、脳の視床下部にある体温調節中枢がコントロールしています。 人は寒い環境では、体温中枢が、皮膚の表面から熱を外に逃さないようにする司令を送り、体温が下がりすぎてしまうのを防ぐ働きをします。 また、骨格筋を収縮させて震えを起こし、熱を作り出すように働きかけることもあります。 このように「体温調節機能」は、寒いときは体温を上げるように働きかけ、暑いときには熱を放出し体温を下げようとしてくれています。 <自立神経の働き> 自律神経は体温調節機能を司っており、自律神経が正常に働かなくなると体温の調節がうまくいかなくなります。 体温の調節機能が正常に働かなくなると、手足の末端部分の血管の収縮ができなくなったり、内臓に血液を集められなくなったりしてしまい、冷えが起こる原因になります。 つまり、冷え性の多くは体温調節機能が正常に働いていない状態であり、その原因が自律神経の乱れということになります。 それでは、冷え性は具体的にどのようなことが原因で起こるのでしょうか?以下で解説していきます。 冷え性になりやすくなる9つの要因とは? 冷え性の原因には、自律神経の乱れだけでなく多くの要因が関わっている可能性があり、改善するためにはそれぞれ原因を理解することが大切です。そこで、ここでは冷え性の主な原因について紹介します。 基礎代謝の低下 体の中でエネルギーが作られる際に「熱」が生じるのですが、基礎代謝が低い人ほど熱が生じにくくなります。基礎代謝が低いと、摂取した栄養がエネルギーに変換されにくい状態にあるからです。そのため、基礎代謝が低下していると冷え性の原因になります。 筋力の低下及び運動不足 筋肉は体温調節における重要な器官で、一般的に筋肉量が減ると熱を蓄えておく場所が少なくなり体が冷えやすくなります。...

【あなたはどのタイプ?】5つの冷え性タイプと、タイプ別に効果のある代表的な漢方生薬をご紹介!

2022.08.02

冷え性に効く漢方は?冷え性の原因別におすすめの漢方を紹介  「冷え性改善には漢方が良いと聞いたことがある、試したいけどどれを選べば良いかわからない」 そのような人も多いのではないでしょうか? 漢方はドラッグストアなどでも手軽に購入できますが、種類がたくさんありどの漢方が自分に合うのか判断が難しいですよね。 そこで今回は、冷え性に悩まれている方の原因別に、おすすめの代表的な漢方薬を紹介していきます。 最後までお読みいただくことで、あなたに合う漢方薬を選ぶための一助になるでしょう。 冷え性とは? 冷え性とは一般的に、血液の流れが悪いために毛細血管へ温かい血液が流れず、血管が収縮してしまい手足などから冷えてしまう状態のことを言います。 冷え性は外気温によって冷やされることとは関係ありません。手と足の先端が温まりにくく、慢性的に冷えてしまっている状態があるときを「冷え性」と呼びます。 このように外気温に関係なく体の中から冷えてしまうため、真夏であっても冷え性の症状は出ます。冷え性は、本来働くべきはずの体温調整がうまく機能していない状態にあり、日々の生活習慣が大きく関わっています。 特に、冷え症は女性に多い傾向にあります。女性の場合は日々の生活習慣や月経の影響で貧血気味の人が多いことや、女性ホルモンの乱れから自律神経がバランスを崩しやすいことから、冷えが起きやすいと言われています。 では具体的に、どのようなメカニズムで冷え性は起きているのでしょうか?以下で、詳しくみていきましょう。 冷え性になるメカニズムは大きく2つ 冷え性になるメカニズムのポイントは、「体温調節の仕組み」と「自律神経の働き」にあります。 <体温調節の仕組み> 体温調節は、脳の視床下部にある体温調節中枢がコントロールしています。 人は寒い環境では、体温中枢が、皮膚の表面から熱を外に逃さないようにする司令を送り、体温が下がりすぎてしまうのを防ぐ働きをします。 また、骨格筋を収縮させて震えを起こし、熱を作り出すように働きかけることもあります。 このように「体温調節機能」は、寒いときは体温を上げるように働きかけ、暑いときには熱を放出し体温を下げようとしてくれています。 <自立神経の働き> 自律神経は体温調節機能を司っており、自律神経が正常に働かなくなると体温の調節がうまくいかなくなります。 体温の調節機能が正常に働かなくなると、手足の末端部分の血管の収縮ができなくなったり、内臓に血液を集められなくなったりしてしまい、冷えが起こる原因になります。 つまり、冷え性の多くは体温調節機能が正常に働いていない状態であり、その原因が自律神経の乱れということになります。 それでは、冷え性は具体的にどのようなことが原因で起こるのでしょうか?以下で解説していきます。 冷え性になりやすくなる9つの要因とは? 冷え性の原因には、自律神経の乱れだけでなく多くの要因が関わっている可能性があり、改善するためにはそれぞれ原因を理解することが大切です。そこで、ここでは冷え性の主な原因について紹介します。 基礎代謝の低下 体の中でエネルギーが作られる際に「熱」が生じるのですが、基礎代謝が低い人ほど熱が生じにくくなります。基礎代謝が低いと、摂取した栄養がエネルギーに変換されにくい状態にあるからです。そのため、基礎代謝が低下していると冷え性の原因になります。 筋力の低下及び運動不足 筋肉は体温調節における重要な器官で、一般的に筋肉量が減ると熱を蓄えておく場所が少なくなり体が冷えやすくなります。...