「夜になかなか眠れない」
「眠りが浅く疲れがとれない」
「眠れない時におすすめの飲み物を知りたい」
早く眠りにつきたくても寝れない、眠っても何度も起きてしまうような状態だと、疲れが取れず体調の優れない日々が続いてしまいつらいですよね。
そこで今回は、なかなか眠れずに困っている方に向けて、眠れない時におすすめの飲み物から、眠りを妨げてしまう飲み物、睡眠を促す方法まで解説します。
最後までお読みいただくことで、快適な睡眠をするのに重要なことがわかり、不眠を改善する行動ができるようになるでしょう。
寝たいのに眠れない原因は?
寝たいのに眠れない時の原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
不眠の原因は一つだけではなく、複数の要因が重なることが多くあります。痛みやかゆみ、頻尿や発作などの身体的なものから、ストレスなど精神的なもの、睡眠時の環境まで多岐にわたります。以下で、睡眠を妨げるよくある原因を解説します。
ストレスなどによる精神疲労
眠れない時の原因で多いのが、精神的な疲労です。人はストレスを感じると緊張状態が続き、睡眠に悪影響を及ぼします。
嫌なことがあったときなど負のストレスによるものだけでなく、楽しい予定の前や生活環境の変化でも、不安やストレスがかかることがあります。 また、自律神経の乱れや、うつ病など精神疾患を伴う症状に該当する場合もあります。特に、うつ病を持つ人の9割近くが不眠症状を訴えているという事実もあります。
眠れないというストレスでさらに症状を悪化させてしまうこともあるので、早めに対処することが大切です。
体内時計の乱れ
体内時計が乱れることも、眠りが浅くなる原因の一つです。体内時計が乱れると、早い時間に眠くなったり、まだ暗いうちに目が覚めてしまったりします。
夜勤や早朝から仕事をしなければならないような人に起こりやすく、生活リズムがバラバラで昼夜逆転の生活をしていることが原因となるケースが多いです。
寝る前の準備ができていない
早く眠りにつくためには寝る前の準備が大切ですが、この準備を怠ると身体はいつまでも休む状態に入れません。
快適に眠りにつくためには、身体の体温調節が大切です。睡眠のメカニズムとして、体温が下がらないと眠くならない仕組みになっているため、就寝前には手足などから熱を外に出して眠りに入る準備を整える必要があります。
また、体温調節だけでなく寝る前にスマートフォンやタブレット、パソコンなどを見ている方は注意しましょう。
それらの機器から発せられるブルーライトは、「メラトニン」という自然な眠りを誘う作用がある「睡眠ホルモン」の分泌を妨げ、寝付きが悪くなる原因になります。就寝前の2時間はできるだけ使用を控えましょう。
眠れないときにおすすめの飲み物
眠れない時には、精神的な緊張を和らげてリラックスでき、身体を温めてくれる飲み物を飲むのがおすすめです。
飲み物は、眠れないなと思った時に簡単に取り入れられるので、就寝前の温活習慣にするのも良いでしょう。以下では、眠れない時におすすめの飲み物を紹介します。
白湯
白湯とは、水を沸かし何も言われていないお湯のことです。白湯をゆっくり少しずつ飲むことで、優しく内臓が温まります。
さらに、温かい水分を飲むことで、副交感神経が優位となり、体が落ち着きリラックスしやすくなる効果もあります。
ただし、熱い白湯を飲むと交感神経が優位になり眠りの妨げとなりやすいため、60度?70度のぬるめの白湯にするのがおすすめです。
ハーブティー
ハーブティーは、眠れない時に快眠を促す飲み物の代表です。
ハーブティーにはリラックス効果や自律神経を整える効果、ストレスの軽減効果などがあり、快眠を促す効果を期待できます。
また、ハーブティーにはアロマテラピー効果もあり、豊かな香りを吸い込むことで、香りが脳に直接届きリラックス効果を高めてくれます。ハーブティーを飲む際は時間をゆっくり使い、香りを楽しむようにして飲むと良いでしょう。
ただし、ハーブティーには「カフェイン」を含む紅茶やマテ茶等をブレンドしたものもあります。就寝前に飲むと、カフェインによる覚醒作用や利尿作用で、寝付きを悪くしてしまう可能性があるので注意してください。
ホットココア
ホットココアには、「テオブロミン」という自律神経を整える作用のある成分が含まれています。
そのことで自律神経が整い、寝付きが良くなったり眠りが深くなったりする効果が期待できます。 また、「テオブロミン」は「セロトニン」に作用する働きがあるため、リラックス効果やストレス解消にも役立ちます。
交感神経の働きを抑える牛乳と一緒に飲むと、さらに安眠効果が高まると言われているので、組み合わせて飲むのも良いでしょう。
ホットジンジャー
ホットジンジャー(生姜)は、お湯に生姜を入れたシンプルなものです。
ジンジャーには血行を良くして体を温める効果があります。温めて飲むことで、胃腸を優しく温めてくれる効果もありおすすめです。
手軽に取り入れたい方には、市販されている生姜湯の粉末を使用するのも良いでしょう。
ホットミルク・豆乳
ホットミルク(牛乳)も熟睡したいときにおすすめの飲み物です。牛乳には「トリプトファン」という成分が含まれており、精神の安定を促してくれる「セロトニン」という物質を作るのに重要な働きをします。
また、セロトニンは「メラトニン」という睡眠を促進する成分の原料にもなります。つまり、ホットミルクを飲むことで、睡眠効果のある「メラトニン」の分泌を促すことに繋がるため、快眠したい方におすすめの飲み物になります。
さらに、牛乳に含まれているトリプトファンは大豆製品にも含まれており、豆乳にも睡眠促進効果があると言えます。 ただし、就寝前に牛乳や豆乳を飲むと消化のために胃や脳が活性化し、身体が十分に休むことができなくなる可能性があります。
そのため、少量に留めるか、早い時間に飲むのが良いでしょう。 眠れない時には、身体を温めながらリラックスできる飲み物を飲むのがおすすめです。
体を温めてくれる飲み物はこちらの記事も参考にしてみてください。
注意!眠りを妨げる飲み物は?
注意しなければならないのが、気付かず快眠を妨げる飲み物を飲んでしまうことです。
すぐに眠れなくなるだけでなく、睡眠の質が低下し、寝ても疲れが取れないことにも繋がります。
ここでは、注意しておきたい眠りを妨げる飲み物について解説します。
アルコール飲料
アルコールは睡眠導入時には効果がありますが、脳の活動を活発化させて眠りを浅くしてしまう懸念があります。
また、利尿作用があることから、中途覚醒や早朝覚醒の原因となって睡眠障害を起こす可能性もあります。 寝る前にアルコールを摂取して眠ることが習慣になっていると、同じ量では入眠できなくなり日に日に摂取量が多くなってしまいます。
そのことが長期化すると、肝障害やアルコール依存症などに陥る危険性もあるので注意が必要です。
コーヒーや紅茶などカフェインを多く含む飲み物
コーヒーや紅茶を飲んだら眠れなくなることがありますが、その原因はそれらの飲み物に含まれているカフェインという成分です。
出典:https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
入眠前にカフェインを含むコーヒーや紅茶を摂取すると、脳が覚醒して寝付きが悪くなり、眠りの質も低下してしまう可能性があります。
一方で、コーヒーには血流促進効果があり、香り成分にはリラックス効果があると言われています。寝る前にコーヒーを取り入れたい場合は、カフェインを取り除いたディカフェコーヒーにするのが良いでしょう。
コーラやエナジードリンク類
残業が多い方や受験勉強で夜遅くまで起きている方は、エナジードリンクを利用することもあるでしょう。コーラやエナジードリンクは、カフェインを多く含む飲み物の代表です。- コカコーラのカフェイン濃度:約10mg/100ml
- エナジードリンクのカフェイン濃度:32 〜 300 mg/100ml(製品1本当たりでは、36〜150mg)
カフェインを摂りすぎてしまうと、気分が落ち着かず不安になったり、手足の震えが生じたりするなどの症状を発症し、依存症になってしまう懸念もあります。
カフェインの摂取量が毎日200?300mg以上となる習慣が続くと、耐性がつきより多くのカフェインを摂取するようになってしまいます。日頃からコーラやエナジードリンクを摂取している方は、注意しましょう。
快眠に効果的!飲み物以外でできる5つのこと
眠れない時の対処法は、飲み物だけではありません。生活習慣から見直したり、精神の緊張を和らげリラックスしたりするなど、さまざまな方法があります。
ここでは飲み物以外で、眠れない時にできることを厳選して5つ紹介します。
アロマを焚いてみる
心地良くすぐに眠るには、ストレスにより緊張した心身をリラックスさせることが大切です。
そこでおすすめなのが、天然アロマを焚きリラックスするアロマテラピーです。 アロマテラピーは、自律神経やホルモンバランスを整え、やさしく眠りに導いてくれます。好きな香りで気持ちをゆるめてくれ、身も心もリラックスさせてくれるでしょう。
ツボを押す
快眠に効果のあるツボを押すことも、眠れない時に実践できるおすすめの方法です。
ツボにはそれぞれに対応した内臓や器官があり、ツボを押せば各器官に対応した身体箇所に刺激が伝わります。そのことで、不眠の原因となっている不調を緩和することが可能です。
不眠の症状に合わせて複数のツボを押せば、さらに相乗効果が期待できます。あらゆる不眠に効くおすすめのツボは下記です。
- 労宮(ろうきゅう) 手を軽く握った時に、人差し指と中指の先端の中間にあるツボで、精神に働きかける作用があります。
- 失眠(しつみん) かかとの中央にあるツボで、不眠緩和の代表的なツボです。お灸をしたり、かかとを湯たんぽに乗せて軽く温めたりするのもおすすめです。
腹式呼吸をする
なかなか眠れない時は交感神経が優位で、気持ちのスイッチがオフになっていない可能性があります。
緊張と興奮状態から、スイッチをオフに切り替えるのに効果的なのが腹式呼吸です。
腹式呼吸は、お腹を膨らませてゆっくり呼吸する方法で、副交感神経の働きを高めてくれると言われています。それにより、リラックスし休息の状態に切り替えるのに効果があります。
就寝1〜2時間前に入浴
リラックスし休息の精神状態に切り替えるのに効果があるのが、眠りにつきたい時間の1〜2時間ほど前にぬるめ(40℃)の湯船にゆっくり浸かることです。
そのことで副交感神経を高めてくれ、リラックス効果があると言われています。 また、人の身体は体内深部の温度が下がると、眠気が起こるようにできています。一度ぬるめのお風呂で体内深部の温度を高めることで、入浴後に体温が下がるタイミングを作り眠気を誘発させることができます。
ただし、42℃以上の熱めのお風呂に浸かると、逆に交感神経を高めて気持ちを高ぶらせてしまうので注意しましょう。
眠りやすい環境を整える
眠れない時には心身の問題だけでなく、寝室などの睡眠環境にも原因が考えられます。
寝室は、リラックスして落ち着くことのできる空間にしましょう。その上で特に気を付けたいポイントは下記です。
- 光:遮光カーテンなどを使用し入眠時の光をできるだけ遮断すること
- 音:ラジオやテレビなどは消し、雑音が少なく入眠や睡眠を妨げない状態にする
- 温度:心地よく感じられる、暑すぎず寒すぎない状態に保つ
- 湿度:50%〜60%の湿度を保つ
- 寝具:柔らかすぎるマットレス、高すぎる枕、重すぎる掛布団であれば変えてみる